緊張性頭痛
緊張性の頭痛は、仕事や人間関係などのストレス、パソコン、スマホなど目を使いすぎによる肩首腕などの疲労が原因です。
肩や首の筋肉が異常に張り、肩甲骨の内側に指を差し込めないほど硬くなっています。
したがって、軽い運動やストレッチを行い特に肩甲骨周囲の緊張を取り除けばかなり改善します。
安易に鎮痛剤の服用は避けたほうが賢明です。
この症状は、ほとんど肝虚脾実の69難型か77難型の証になります。
肝とは以下に記載した「五行色体表」の中の最初の項目、例えば五行で「木」に当たる
ものです。
五行色体表(抜粋)
五 行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
五 臓 | 肝 | 心 | 脾 | 肺 | 腎 |
五 役 | 色 | 臭 | 味 | 声 | 液 |
五 根 | 目 | 舌 | 口 唇 | 鼻 | 耳 |
五 主 | 筋 | 血 脈 | 肌 肉 | 皮 膚 | 骨 |
五 変 | 握 | 憂 | 吃 逆 | 咳 | 慄 |
五 志 | 怒 | 喜 | 思 | 憂・悲 | 恐・驚 |
五 色 | 青 | 赤 | 黄 | 白 | 黒 |
五 味 | 酸 | 苦 | 甘 | 辛 | 鹹 |
五 声 | 呼 | 言 | 歌 | 哭 | 呻 |
五 液 | 涙 | 汗 | 涎 | 涕 | 唾 |
五 労 | 久 歩 | 久 視 | 久 座 | 久 臥 | 久 立 |
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肝の症状を起こす原因の一つは、五労にあるように久しく歩き続けた結果筋の緊張を生じた
のです。
また、何らかの原因でストレスが限界に達し、五志にある「怒」を生じ、五声のように「呼」の
叫びます。その結果、交感神経が興奮し、血管が狭まり、顔が五色の如く「青」く変化します。
時折、怒りでこめかにに血管が浮き出る人がいますが、正にこの状態です。これは脳出血を起こす
原因になることがあるので危険です
スマホやパソコンを長い間見続けると五根の「目」が疲労し、五液である「涙」が流れ
出ます。また、マウスを使い続けると、五変にある「握」となり、腕手や指が疲れます。
このような症状の結果、五味の「酸」の酸っぱい味を欲しがったり、避けるような食事に
なります。
上に記載した項目のいくつかが有ればあなたはかなりストレスにみまわれています。
五行色体表はその人の状態を把握するのに都合の良い指針の一つになります。
老婆心ながら、肩が余りにこっているからと言って、肩ばかり鍼を刺したりマッサージを
行うのは避けて下さい。後で過剰反応を起こすことが在ります。
症例
患者:男性 62歳。体重80kg
久しぶりにゴルフのコンペがあるので、練習場に行き、少し無理をした。帰宅後疲労感が残り、翌日右のこめかみに痛みと首筋にこりを感じて来院した。
所見:
首肩及び肩甲骨周囲に極めて強い緊張が認められた。肩甲骨内には指が全く入らない。
頭痛は締め付けられるような痛みで右の側頭部に存在する。拍動性ではない。
脈診は脾実肝虚の77難型でした。
治療後、肩首の緊張が和らぎました。
1週間後再来院した時、帰宅後久しぶりに熟睡できたとの患者さんの言葉でした。
2回目の治療
主訴は少し右の側頭部に痛みが残っている。
肩甲骨周囲と首の緊張はほぼ解消していた。
脈診:肝虚脾実の69難型でした。
治療後頭痛はかいしょうした。
考察
緊張性の頭痛は経絡治療の適応症で鍼が良く効きます。安易に鎮痛剤の服用を
せずに副作用のない鍼治療を行ってください。
鎮痛剤の長期の服用は、慢性的頭痛の原因になることがあります。
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